中曽根総理誕生秘話

中曾根氏が、晴れて首相の印綬を帯びた。

 「晴れて」と云ったのにはわけがある。彼は佐藤栄作氏が首相を辞めたときに後継候補のひとりと目されたのをはじめとして、その後の首相交替のときには、必ずその後継候補として名前があがった。

 しかしそのつど、「まだ早い」、「先を急ぐな」、「時機を待て」、「ここは○○にやらせろ」と、長老実力者たちに抑えられてきたのである。

 その中曾根氏が、長い念願かなって総理になったとき、彼はその胸中をこう語った。

 「♪いつも、わたしが、待ぁたぁされたぁ~」